デスゲーム

「うん。そこでレインに酷い事されたの。桜井さんと私を天秤にかけて、どちらか好きな方を生かしてやるって言われたんだよ」


橘の瞳からボロボロと涙が落ち始める。そんな橘の隣には雫が寄り添ってあげた。


「そこで選んだのは沙弥じゃなく、橘だったってことか」


無言でコクッと一度頷く。俯いたままで良く分からないが、目は腫れているだろうな。


「九条は私に『本当に好きなのはお前だ。お前は一目惚れした相手よりも大切にする義務がある』って言ってくれたんだ」

「…そんな事はどうでもいい。なぜ沙弥を助けられらなかったかを聞かせろ。なぜ仲間に加えなかった？」

「ちょっと隼人君！？もう少し優しく言えないんですか？」


うっ。子を庇う親のように見てきた雫に思わず視線を逸す。ため息の後、小さく『悪い』と付け足す。


「もう。すみません、口が悪くて」

「ううん、いいから。九条が私を選んだ事により、桜井さんは敗者となった。…その後もちろんあなたの言う方法をとったわ」