デスゲーム
「でもね、あの時のゲームは変則だったの。九条と桜井さんのゲーム最中に、九条の後を追ってきた私が入り込んだの」


それじゃあ1対1が成立たない。つまりルールを変更せざるを得ない。


「九条が影でコソコソしてたからつい追いかけたの。…今でも胸が痛むくらい後悔してる。ごめんなさい」


泣き続ける橘を雫が優しく抱き寄せる。今の話しから流れを考えて道筋を立てると…


「橘は館に入ったから『デスゲーム』参加は免れない。そんで仲間に加えられるのは一人だけ。

橘か沙弥か、悪趣味なレインはその選択肢を九条に渡した。結果は今述べた通り。…ということか」


うん、と弱々しく反応を見せた。なるほどな、こいつらの歯車が噛み合った。


「本当にごめんなさい。…その時から九条は笑顔を失った。今の笑顔は嘘だって分かる。昔から付き合いだけは長いから」

「もういい。そこまでで十分だ。あいつを苦しめているのは罪悪感か。…さっきの態度、忘れようと必死になってたからか」
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