デスゲーム
「よっと…。何も起きないな、ハズレか?」


花を持ち上げても振っても何も起きない。おかしいな。綺麗に整頓された机、ここだけ空気が違うのに。


「雫来てみろって。大丈夫だから、な?」

「は…はや…あ…」


とうとう言葉がうまくでなくなったか。限界に近いな。


「はいはい今行くから待ってろって」

「いや来ないでください。来たらその上の人も……上の人もくるー!!」

「上?上に何が……で、出たあーー!!」


天井からボトッと嫌な音を立てて落ちたのは女の人。腰まである長い髪に白装束。

髪の隙間からただれた顔が見えて恐怖を与える。

落下は間一髪のとこでかわしたが、地を這い、床に爪を食い込ませて近づいてくる。


「花返します!返しますから勘弁して!悪気はなかったんだっ!!」


爪が割れていて、這う度に血が溢れる。おまけに目からも血が流れるし…。

花を床に捨て、慌てて雫の元に戻る。その後花は床の木板と一緒に力強く粉砕された。
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