デスゲーム
「花散ったな。哀れな…」

「こんな時にどうしてそう冷静なんですか!?早く何かしないと怖い人が来ますぅ」

「分かってる。う~ん……。諦めたいけど…とりあえず殴ればいいのかな?」


バキバキ床を破壊しながら進行をやめない女性の霊。ボロ泣きの雫だけは守らないとな。けど霊が相手じゃ常識は通用しない。


「み…水を……」

「あの人今何か喋りましたよ?隼人君水!水を早くあげて!!」


運良く室内に流し台を発見。頷いて流しに直行する。


「コップねえし…。って急がねえと雫が。ああもう、これに汲んでも文句言うなよ!?」


あと数十センチ。足が竦んで動けない雫と女性の霊との間に、乱暴に水の入った容器を投げ入れる。

若干ビチャビチャ撒けたが、霊の動きが止まった。間髪を入れず雫の元に駆け寄る。


「……飴、足りないならどうぞ」


ポケットから飴を取り出してコトンと置く。直後、女性の霊が立ち上がり血走った目で見下ろしてきた。
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