デスゲーム
「隼人君、狼男って月を見れば変身する。逆に月がないと元に戻る、でしたよね?」

「そうだと思うけど…こんな時に一体何だよ」


グルルルルと喉を鳴らし、四肢で立ち威嚇している。俺の少し前にはコノハがいるが、流石に余裕がなさそうだ。


「じゃーん。サングラスです、しかも誰かがマジックで塗りつぶした後の。何も見えないので何とかなるのでは?」

「…試してみる価値はありそうだな。何でこんなもん持ってんだよ?」

「えへへ、理科室で拾ったんです。こんなことしかできませんが…」


サングラスを受け取ると雫に下がるように促す。何でも拾うなって言いたいとこだがここは素直に感謝だ。


「おい、イチャイチャしてないで力を貸せ!ウチ一人では足りん」

「作戦会議だっつーの!あのワンコの手懐け方考えていただけだ」


コノハの隣に立ち、こちらも臨戦体制に入る。狼男の血走った目が俺を捕らえる。


「最近退屈してた所じゃ。ワシを満足させてくれよ?闘いに勝てば報酬として宝玉をやろう」

「「いくぞ!!」」
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