デスゲーム
「ぁぁー…」


入口で待ってると、叫び声のようなのが聞こえた。


「ぃやあーー!あっ、隼人君っ。意地悪で性悪な二人組です…」


泣きじゃくって、逃げるようにして出てきた雫に抱き付かれる。そして後から満面の笑みのコノハが現れた。


「少しやりすぎなんじゃないか?」

「ウチは少ししかしとらんよ。大部分は花子さんじゃ。とことんのいたずら好きでの」


聞くと雫が目一杯かわいがられたらしい。スカートめくり事件が一番酷かったっぽいな。

氷室の気配はむこうも同じ図書室。違うのは九条達が同じ方向にいるという情報だけ。


「そっか。どちらにしろ、図書室に行く必要があるな」

「図書室は3階じゃ。どうやらウチらより後に行ったらしい」


なら、とまた3階へ歩みを始める。シクシク泣いている雫を背負って。


「もぅ…嫌です。……限界超えましたぁあ…」

「分かったから、氷室の所に着いたら泣きやんどけよ。その間は俺が何でもしてやるから」


おんぶしても、強く密着させてくる雫にドキドキする。一体どんな内容のいたずらかましたんだよ…。
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