デスゲーム
「真面目な話になるけど、このゲームが始まる寸前に九条の事言ってたよな。それって何だったんだ?」

「はい?あ…はい。もし私達が勝っても、九条君は前を向いていけるのでしょうか…」


雫は涙を拭ってちゃんと話してくれた。階段を上りながら、ふと気になった事を聞いてみる。


「九条君はきっと自分を責めてます。もし負けると、そのショックで立ち直れないんじゃないでしょうか?」

「それほど弱くないと思うけどな。そこは俺が説得するさ」

「そうだといいんですけど…」


心配が振り切れないまま3階に到着した。雫を降ろして廊下の先を見据える。


「図書室は一番奥の部屋じゃ。では行くかの」


ゆっくりと慎重に進む。理科室、音楽室を続けて通りすぎる。薄暗く、月明りしか照らすものがない。


「ここが図書室か。氷室いるか!?」


呼んでも返事はなく、静まり返る。入ると左端から黒板、テーブルとならび、その次に本棚が並べられている。
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