デスゲーム
ドアについているガラスの向こう、忘れもしない。ニヤリと笑うその姿……あいつは…。





「九条…」

「早く出ないと死んじゃうよ?頑張れ頑張れ」


火は燃え広がり、今にも本棚に移ろうとしていた。それと平行して白い煙が間髪入れず天井を覆う。


「何で…何でこんな事……九条君!!」

「お前バカ?勝つために決まってるだろ。負けたら意味ないんだよ。じゃ、運が良かったらまた会おうや」


そう言うと九条は笑いながらどこかへ歩いていった。


「少し離れろ。こんなものっ」


コノハが金棒をドアにぶつけるが、ビクともしない。種はすぐ分かった。


「このドアから不思議な力を感じるの。恐らく壊すのは不可能」

「隼人……君…」


雫は苦しそうにして俺にもたれかかってきた。煙と熱気のせいだろう。

シャツを破いてそれを層にし、雫の口に当てる。


「向こうの窓もダメじゃの。妖しく光っておる。…ここで終わりかの?」

「雫しっかりしろ!ち、くたばってたまるか。頭をフル回転させろ。脱出の方法は必ずある」
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