デスゲーム
「そうそう、清水と殺るのはお前だったよな?氷室」


埃がゆっくりと沈下して前が見えるようになる。目を疑ったがその人物は本物で……



日本刀を手にする氷室が俺達を睨んでいた。



「ちー……君?」

「………」

「おやぁ?柊ちゃんは苦しそうだね。煙でも吸ったか?」


雫はフラフラと立ち上がり俺の側で止まった。コノハも前衛で金棒を構える。場にビリビリと緊張感が張り詰める。


「コホッ、コホッ、隼人君が頑張ってるのに……いつまでも休んでいられません。ちー君……何でぇ?」

「俺は弱者に興味はない。清水、悪いが裏切らせてもらう。今一度決着をつけるぞ」


目が本気だ。このままじゃやられる。雫だけは守らないと。何でだよ氷室。どうしちまったんだよ。


「さっきから聞いてるが酷い奴らじゃの。心ってもんがないのか?」

「それはお前だろう?幽霊風情が」


九条が冷たく吐き捨てた。くそ、どうしても怒りが込み上げてくる。


「こんの堅物どもが。って言いたいとこだが、交渉だ。宝玉は持っていっていい。でもな、雫にだけは手を出さないでくれ」
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