デスゲーム
氷室と九条の後ろにも戦力は二人いる。橘に早川、どちらとも拳銃のようなもので俺達を狙っていた。

明らかに不利だった。九条と氷室の意思によっては軽い怪我じゃ済まされない気がした。


「…なら先払いだ。宝玉を渡しな。今すぐでないと……殺る」

「くそっ、ほらよ」


木刀を突き出す九条に、懐から取り出した宝玉を投げ渡す。ニヤリと笑うと、それをしまった。

いくらコノハが強かろうとも、4対2。犠牲者が出るのは明らかだった。


「確かに受け取った。……だがお前らはここで再起不能になってもらうっ!」


不意に降り懸かる木刀を咄嗟の判断で防御する。ギリギリと二つの力が対峙し合う。


「なっ!?話が違うぞ」

「俺は勝つためなら手段を選ばない。結果主義なんでなぁ!!」

「ッ!!その性格は根本から治した方がいいようだ。雫、下がっ…」


振り向いてもいない雫は俺と九条の間に割って入り、九条を突き飛ばした。距離があき、また睨み合いが始まった。
< 339 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop