デスゲーム
息が荒く、まだ熱の影響は残っている。それでも俺に手を伸ばし、制止させる。

今にも倒れそうなのに、話し合いをしようとばかりに。


「それで……いいんですか?……九条君は嘘をついています。…本当にそれでいいんですか?」

「何が?何なら柊ちゃんから倒れてもらうよ?」

「隼人君大丈夫だから…来ないで。

…あなたの心は…誰も傷つけたく、ないはずです。……なのにどうしてそれを必死に、隠そうとするんですか?

どうして……一人で抱え込むんですか?」


そこまで言うと、氷室とコノハが闘い始めた。かち合うシーンが多く、力量は互角みたいだ。


「隠す?何を。俺は勝てばいいんだよ。桜井ん時みたいに全てを捨ててなぁ」

「沙弥さんの事は話してませんっ!…私は九条君が自分に嘘をついていることが許せないんです!!

したくもない事をしているのに怒ってるんですっ!!」


知ってる。雫は人の心を読むのがうまい。僅かな表情の違いも見逃さない。

そのおかげで俺はあいつに何度も支えられた。慈悲の能力っていうのかな。
< 340 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop