デスゲーム
「ハハハッ、笑わせる。そうさ、人間ならよっぽどの悪でない限り、傷つけるのに抵抗するさ。俺も例外じゃない。

だが、これは『デスゲーム』だ。常識は通用しない。例え嫌な事が勝つための手段でも、俺は勝ちを優先するっ!!」

「雫避けろ!!上だっ」


九条が木刀を頭狙いで振りかざす。今からじゃ雫の前に出れない。ヤバい、当たってしまう。





ガッキィンッ!!




目の前で何が起こったか分からない。いきなり九条の木刀が空で弾かれ落下した。

間髪を入れずに雫を手繰り寄せる。意識もあるし、傷もなく大丈夫そうだ。ゆっくり考えると何が起こったのか理解できた。


「ん?早川、何のつもりだ。邪魔するのか?」


早川の手にしている銃からは煙が立ち上ぼっている。あれが弾かれた原因か。


「ごめんなさい…。私は理解できない。どうしてかな、胸が苦しい」


早川はそう言った後、駆け足で俺達と九条との間に入ってきた。そして泣きそうな目をして、仁王立ちで両手を広げる。
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