デスゲーム
「宝玉は手に入ったでしょ。だったら清水達にここまでする必要ないよ」


九条は無言で木刀を拾ってくる。どうなってんだ?俺も雫を壁にもたれかかせて、どんな場面にも対応できるように構える。


「あるね。勝者は一組なんだ。こいつらの勝率を限りなく減らす。…どけ」

「どかない。せめて拘束にしてあげて。それでも時間は稼げる」

「『デスゲーム』を2回も突破した奴らだ。時間なんてもんは関係ない。

早川、どうしても分からないみたいだし……お前もくたばるか?」



ヒュッ……


こいつ…早川目掛けて木刀降り下ろしやがった!?



スパァーン!!



「いい加減にしろよ。危険なもんブンブン振り回しやがって。終いには仲間にも危害加えるのか」


トンファーと木刀が乾いた音を響かせる。開いた手で早川を後方へ突き飛ばす。こいつ頭にきた。

下を向き、垂れ下がった髪の隙間――そこから著しい怒りで睨む。


「お、お前には関係ないだろ?早川は俺達の仲間だ。どうしろうと……こっちの自由だろ」

「仲間なら絶対に暴力はしねえ。仲間ならな!!…気付けよ、自分が間違ってるって。いっぺんぶっ飛べ!!」
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