デスゲーム
今、人が死ぬ光景が色褪せる事なく頭に広がった。二人の…赤い…悲惨なカットが。

今までは『デスゲーム』にずっと雫が側にいてくれたから安心できた。でも今はもう…1人。もう…誰も味方はいない。

『負ければ死ぬ』という根本のルールに恐怖と不安さえ感じる。怖い…。俺も間違えれば…『死ぬ』。


「いいよ、いいから。勇気がでるまでこのまま全部受け止めるから。今だけは怖いって言ってもいい。

私解放されちゃったけど、まだあなたと『デスゲーム』したいよ…」

「ダメだ。やっと雫を守りきったんだ。またあんなゲームに関わって欲しくない」

「うん、分かってるよ。でも私は全力で隼人君の力になりたい。精一杯の力を隼人君にあげたい。…無事で帰ってこれるなら」


そう言い俺の胸に顔を埋めた。雫も不安、心配、恐怖が入り交じってるんだろうな。一度ギュッと抱き締める。


「俺、一人って存在がこんなに怖いって思った事はなかった。…雫の強さを少しだけ分けて」



アスタリスクの髪止めをそっと外してあげる。それをテーブルの上に置くと真っ直ぐに雫を見つめた。
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