デスゲーム
はぁ、まさか俺までターゲットになるとはな。


「俺の事は心配ない。そう簡単にはやられねえって。問題は今日帰るか否か」

「…お兄ちゃんに電話してきます。家の状況が知りたい」


雫は携帯を片手に奥の部屋に向かった。あの家に雫の居場所があればいいが…。


数分後……



「お待たせしました。…まだ大した変化は見られないって……」


そうか。そう来るならこっちから出向くまでだ。


「今すぐ実家に帰るぞ。話しつけてやる。白玉留守を頼む」

「ぇえ!?今からですか?…て本当に今からぁー…」

「ニャー♪」


適当に貴重品をポケットに入れると、雫の手を握りマンションを出発する。

想いが止まらない。雫には家族の温さを与えてやりたい。雪の降る、冷たい風の中を俺達は走る。


「隼人君少し遅くしてくだ……きゃっ」

「おっと、大丈夫か?」

「ハァ…ハァ…、はい!行けます」


転びそうになった雫を受け止める。少し飛ばしすぎたかな。雫の歩幅に合わせて急ぐように駅を目指す。
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