デスゲーム



西条に着くと真っ直ぐ雫の家に向かった。するとクリスマスの日同様に門に二人。


「よお、マヌケなお二人さん」

「お前この前の……捕えろ!!」

「通してください!この人は私の大切な人です」

「お嬢様ッ!?帰って来てくれたんですね。ささっ、どうぞ中へ」


バーカ、というような目を浴びせると俺だけ睨まれた。門から玄関までは一本道。

その両脇に池や木、芝生が広がる。歩くと豪邸が余計に大きく見える。


「大丈夫か?俺もついてるからな」

「平気です。私も隼人君からいっぱい力貰いましたから。えへへ」


そっと手を繋いで玄関のチャイムを押す。自分の家なのにチャイムを押すのは……やっぱりおかしい。


「はいどちら……雫~会いたかった」

「お兄ちゃん苦しいってば。嬉しいけど弱くしてください」

「するする~、嬉しいか。そうかそうか」


雫は兄の祥一にギュ~ッと抱き締められて自由を奪われた。こいつやっぱ重症だな…。目も当てられない。
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