デスゲーム
「おい…いい加減気付けよ」

「う……うおっほん!何でお前まで来てるんだよ。帰っ……中へお入りになってください」


俺に気付くと顔を赤らめ雫から離れた祥一だが、追い返そうとした矢先、雫に睨まれ渋々丁寧口調になった。

妹強し。


「お兄ちゃん、お父さんいる?」

「…いるよ。一階のリビングだ」

「分かりました。フフッ、ありがと。どうぞ隼人君、こっちです」


兄に笑顔を交わすと俺の手を引っ張り案内してくれる。…ただ、祥一からの凄い威圧感で背中がゾクゾクすんだよ。


「失礼します。お父さん、お話しがあります」


高級そうなドアを開くと、燦然と輝くリビングが広がった。

赤い絨毯に壁紙も高そう…。テレビも超でかい。電灯見ると目がチカチカする。

そんなリビングのこれまた高級そうなソファーに、雫のお父さんがいた。


「雫か…。そこに座れ、そっちの若いのも」

「失礼します」

「………」


俺は無言でソファーに座った。横には雫がいて、正面にはお父さん。…すげえや、威厳ありまくり。
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