デスゲーム
その後しばらくして、ようやく雫が出てきた。


「隼人君お待たせしました」

「長かったな。何かあったのか?」

「あの後またお兄ちゃんに捕まっちゃって、えへへ。頑張ってお父さんを優しくしてくれたみたいですよ」


あれでか?あのおっさん普段どんなんだよ。つーか兄頑張ってたんだな。


「ところで隼人君は?話し声が聞こえましたけど」

「中村と話してた。もうどっか行ったけど。…気持ちはもう大丈夫か?」

「涼君が…。はい、大泣きしたらだいぶ楽になりました。えへへ」

「そっか、じゃあ帰るか」


俺達は手を繋いで歩き出した。明日、運命が決まる。立ち止まっていても何も始まらない。

雫の加勢はするつもりだ。俺1人でどれだけ力になるか分からねえ。けど勝たなければならないんだ。

…雫に家族と一緒に暮らして欲しいから。かっこよかったよ、雫。
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