デスゲーム
「つんつーん。しかめっ面では運気も逃げますよ?えへへ」


雫が俺の頬をつついて来る。こいつは…うん、そうだな。雫が笑顔になったんだ。考えるのは後にしよう。


「雫…この際遊ぶか」


まずはゲームセンターでも行くか。中村の声は優しかったし、黒スーツもいない。一度騙されてみるか。


「この辺賑やかですね。気分も明るくなりそうです」


ゲーセンで気分が悪いのは負けた時だけだと思う。


「ゲーセンは始めてか。どれがしたい?」

「え~……と…。あれ欲しいです」


指の先にあるのはクレーンゲーム。雫はその中のヒヨコのぬいぐるみが欲しいようだ。
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