デスゲーム
「分かった。今とるから」


コインを投入してヒヨコの上にクレーンを移動させる。クレーンが下がると、ヒヨコの頭部を鷲掴みにした。


「凄いです!真上に移動するなんて」

「このくらい学校の連中としてたからな。…ほら」


ガコンと落ちてきたヒヨコのぬいぐるみを雫に渡すと、それをギュッと抱きしめた。


「ありがとうございます。大切にしますね。あっ、次あれがしたいです」


次の機械へと俺を置いてゆく。こうしてると無邪気な普通の女の子なんだけどな。やっぱ雫は笑った方が可愛い。


「何してるんですかー?早く早く」

「今行くからそんなに焦るな」


本当に子供みたいだ。さっきから瞳が輝きまくってる。目を離すとすぐにどっか行きそうだ。



………


ゲーセンやショッピングで時間を潰し、カフェで夕飯を食べ終えた頃には、時刻は19時になっていた。

雫といると時間があっという間に過ぎる。だが2時間前になった。気を引き締めないと、と思った矢先に中村からの電話が鳴った。
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