デスゲーム
「フフッ、しませんよ」


中村が合流して店内を見回った後、少しの休憩に入った。


「なあ、昔の雫ってどんな感じだったんだ?」

「今みたいに明るくて、どこにいても何をされても楽しそうでしたよ。ただ、つい最近までは家庭の事情で少々暗かったですがね」


ベンチに中村と座って話してると、遠くの雫が手を振ってきた。ペット連れの客と遊んでる。


「ふ~ん。わがままで他人のピンチを放っておけないとこも昔からか?」

「そうですね。でもそれがいいんですよ。俺も笑顔が戻って嬉しいですし」


確信は持てないが、どうやら雫の事をよく知ってる分乱暴には接しない。あくまで命令とゆうことか。


「でもま、今のお嬢様の状態が続くなら俺は何だってしますよ」

「じゃあ俺達に勝たせてくれよ」

「それは実力でお願いします。旦那様の指令には逆らえないんです」


所詮は庭師か。雇主の言う事に忠誠ね。



………


そのまま時間が流れて夜21時。中村と別れ、俺と雫は場所を変えた。今いるのは市街地から離れた山の入口。
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