デスゲーム
駐車場があり整備されていて、辺りは広い。ここからだと白樺の夜景が綺麗に見える。

ここに来た理由は圏外狙い。予想通り携帯の電波はそれになっていて、敵さんのGPSは通用しないだろう。


「暫くここにいよう。山には入るなよ、暗いし迷う確率が高い」

「はい。綺麗ですね、街が光って鼓動しているよう…」


手摺に寄り掛かって髪をなびかせる。その安心した横顔を見ると俺まで落ち着いてきた。


「…寒くないか?」


さっきデパートで買ったマフラーを雫に巻いてあげると、逆に半分を俺に巻いてきた。


「隼人君もいっぱいいっぱいのはずです。疲れてるだろうから、温くしてください」

「…ありがとうな」


雫は笑って寄り添ってくる。肩を並べて風に当たるのって気持ちいいな。





………


「…つ!?」


30分が経過した時だった。突如左足に痛みが走った。痛みに思わず姿勢を崩し、しゃがんでしまう。


「くっ、誰だ!?」

「隼人君?大丈夫ですか!少し見せてください」

マフラーを伝って異変を感じた雫が見た物は、俺の左足に刺さった小さな矢のようなもの。タダの矢…じゃねえよな。
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