デスゲーム
「流石ですね。気配だけで急所を外すとは」


暗闇から現れたのは中村だった。その後ろで何台かの車が集まる。乗ってるのは黒スーツ、ヤバい。


「どうして…位置が分かった?」

「デパートで接触した時に特殊な発信機をお嬢様に付けさせていただきました」


それでか。…何だ?足に…つーか全身に力が入らない。立ち上がろうとしてもふらついて立てれない。


「涼君何したんですか!?隼人君に……隼人君を傷つけないで!!」

「その矢は強力な麻酔薬が練り込まれていてね。1時間は休んでもらいますよ。……行け」


無理に矢を抜くと痛みが走ったが関係ない。ヤバい、車から続々と黒スーツが降りてくる。

くそ、力が入らない。遂には地面に這いつくのがやっとの状態か。


「嫌…離して!!隼人君…隼人君ー!!」

「雫っ!くそがぁ動けよ!!」


黒スーツに連れ去られる雫を見ているしかできない。マフラーは無理に外されて俺の側へ儚く落下した。


「そんな安っぽいマフラーなんてお嬢様には似合いませんよ。清水隼人、所詮お前は一般市民。お嬢様にとって悪影響なんだよ」
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