デスゲーム
「あ…あの……隼人君は私の事…その……嫌いになりましたか?」


人差し指を唇に当てて俯く雫。中村にキスされた事引きずってるのかな。


「…目閉じて」


雫が静かに目を閉じたのを確認して隣に寄り添う。ソファーがゆっくりと沈む。顔を俺の方へ向けさせて、両手を雫の首に回す。


「ま…まだですか?」

「まだ…俺がいいって言うまで、な」


少し俯いた雫。それを追ってちゃんと目を瞑っているか確認。そして…


顔を覗き込むようにして




キスを交わした。



柔らかな感触が生まれる。二つの唇が軽く重なった。


「ぅん……」


優しく、雫の存在が…大切さが俺の心に駆け巡る。一瞬の出来事だった。


「まだ…まだ目開けないで」

「はぃ」


額と額を合わせる。俺も目を閉じると、意思が伝わってるような感覚になった。


「中村の事気にしてるだろ?そんなの気にすんな。雫はここにいる。俺はそれだけで十分すぎるから」
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