デスゲーム
「おい、俺はお前にも関わって欲しくない。今からでも帰れ」

「頑固断る。悪いがまた参加させてもらう。…それに、こいつもだとよ」


氷室の後ろから誰か来る。ゆっくりと歩み寄ってきて、そいつも街灯の明りによって正体が分かった。


「無理するなよ清水。一人で抱えるなって言ったのはどこの誰だったっけ?」

「九条お前まで…お前には橘もいる。もう危険な事するなよ」


街灯がぼんやりと二人を照らす。ダメだ、こいつらは来てはならない。『デスゲーム』には関わらせない。


「清水、お前昨日何を盗み聞きしてたの?…美鈴は了承してるよ。絶対に帰ってくるのを前提でな」


昨日のあれは…帰るとか帰らないは、こういう事だったのか。


「けど…頼むから帰ってくれ。死ぬかもしれないんだぞ!?」

「死ぬ…か。九条後は任せる」


氷室はこちらに背を向けて少し離れた。周りの木々が風でざわめく。


「はぁ…。安心しろ、死なねえから。今更負け腰になってんじゃねえよ。俺達は生きて帰るって決めたはずだ」
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