デスゲーム
俺小悪魔の雫はマジで敵なしだと思う。その天使のような笑顔の裏に小悪魔が潜んでるんだよなあ。

雫に逆らえない氷室は一度舌打ちした後、後ろ向きで人差し指をチョコンと乗せた。

まあ4人の右手が一つに重なり合ったのに変わりはない。お互いに視線を送る。


「私達は勝ちます。そして」

「大切な人、待っている人の元に必ず帰る」

「『デスゲーム』を終わらせ、犠牲者の分まで精一杯生きる」

「毎日が笑顔でいられるようにする。もう二度と誰かを悲しませない。

…っしゃあ、いくぞ!」


グッと下に力を加え重なった右手は離された。それぞれの想いを胸に、館へと再び歩みを始める。

夜空には星々が凛々と輝く。絶望があるなら希望もある。なら、今の俺達は希望の光か。

その光は今計り知れない強さを秘めているだろう。燦然と輝き、絶望など到底敵わない強さを。
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