デスゲーム
―信じる者達―
そこには対戦相手と思われる一人が背を向けて立っていた。
「あんたが一人目の対戦相手か?」
「クククッ、そうだ。この時を待ちくたびれた。…待っていたぞ氷室!」
顔を俺達に向けたが、氷室は無反応だ。対戦相手は短髪に細い目が特徴。氷室に面識があるのか?
「指名されてるよ氷室ちん」
「知るか。俺はあんな奴に覚えはない。九条お前が相手…」
「園部(そのべ)だよ!…『デスゲーム』一回戦でお前に負けた園部だ」
氷室は学校から仲間を集めていた。あの時は今より残酷だったからな。きっと負けた奴はそのまま放置したんだろう。
「…覚えがない。敗者なんて覚える価値がないからな」
「言うじゃねえか。俺はお前に負けて、今のリーダーに拾ってもらった。それからは楽しかったさ。『デスゲーム』で何人も負かし、殺したからな」
背筋にビリッと怒りがほとばしる。俺達が犠牲者を増やさないようにしてたのに園部は……こいつは自分から犠牲者を出していやがったのか!!