デスゲーム
「園部、それは本当か」

「ああ本当だ。人が死ぬのって快感なんだぜ?特に微かな希望を断ち切る瞬間なんて」


腐ってる。許せねえ。人としての価値もない。こいつは絶対に許してはならない。隣の雫も俺と似たような感情をあらわにしていた。


「悔しい…。隼人君この人」

「ああ上等だ、闘う理由はできた!!俺が行っ…」

「待てよ清水。ここは俺が行く。指名されたしな」


俺の目の前に氷室の腕が伸びてきた。でも園部の態度は俺を更に奮い立たせる。


「そうこないとな。そっちの雑魚は…」

「黙れうっせーよ。氷室俺にやらせてくれ」

「ダメだ。お前達は上のフロアに行ってろ。俺はこいつを倒して、あの頃の自分と縁を切る」


あの頃?氷室の性格が少し変わったのは俺達に負けてから。その前といえば、死を身近にばらまいていた頃になる。


「でもちー君大丈夫ですか?もしもの事があれば…」

「うるせぇ。さっさと上の階に行けっつってんだよ!?ああ?」


鬼が…鬼が氷室の背に見える…。氷室にギロッと睨まれた俺達は、完全に逆らえなくなった。
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