デスゲーム
「……ボソッ…」

「ほぇ?…あ、はい」


二人で何かヒソヒソ話してやがる。先行をゆく俺には聞こえないようにして。


「リラックスはもう済んだんじゃねえの?」

「…ボソ…ゎかった?…うん。

そうヤキモチ焼くなよ。ほら、柊ちゃん返すからお前もしてやったら?」


九条は雫を解放してニヤニヤ笑ってる。…気になるが問い詰めたら俺の何かが負けてしまう。


「嬉しいな、隼人君の嫉妬。えへへ、照れるなら私からしてあげるよ♪」

「バッ、あいつの言葉を鵜呑みにするなよ。そんで……はぁ」


勢い良く俺の片腕をギュッと抱き締める雫を何だかんだ言いつつ離せない。

でもま、ここにいる全員リラックスは出来たみたい。九条に感謝だ。


「清水が照れてる。やっぱ柊ちゃんの笑顔には逆らえないか」

「べっ、別にいいだろ。お前だって橘がいるだろ」

「だな。俺も帰ったら美鈴とイチャイチャするかな」

「えへへ、私達今イチャイチャ」


雫は何が嬉しいのかずっと笑ってる。俺もその笑顔につられて笑うんだよな。
< 479 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop