デスゲーム
そんな明るい空気で階段を上がる。本当にこんなんで大丈夫なのか?と思うくらいだ。

やがて3階となる逆四角錐が目の前まで迫った。フロアに踏み入れると、女性が1人、さっき同様佇んでいた。


「待ちくたびれたよ。あんたら遅すぎ」

「お前……高嶺 恭子か?」


九条の後に続いて高嶺と呼ばれた対戦相手の側に歩み寄る。どうやらこいつも面識ありげだ。どうせレインが仕組んだんだろうな。


「九条こいつは?」

「高嶺 恭子。昔美鈴にちょっかい出してた奴。美鈴が『デスゲーム』に参加したのだってこいつが原因だ」

「待ってよ。美鈴の参加理由は関係ないでしょ?私は九条の居場所を教えただけ」


知ってて教えたんだろうな。…橘が九条の事をほっとけないって、知っててわざと『デスゲーム』に巻き込んだんだろうが。


「だから私は無関係。あの子があなたの後をアホみたいに付いて行ったのが悪いんじゃない。自業自得よ」
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