デスゲーム
「柊ちゃんもう十分だよ。あとは…俺に任せてくれ」


九条は後ろ向きのまま首で相槌を打ってくる。高嶺の相手は九条で決定か。


「あんまり怒るなよ。いいな、相手のペースに合わせずに慎重にいけよ?」

「分かってる。絶対勝つから安心して先行ってろ」


雫の手を引っ張って上の階段へと急ぐ。雫の言葉をくらって、何か思い詰めた様子の高嶺と、九条を残して。


「九条君、どうか負けないでね。美鈴さんを一人にしたら許さないからね!」

「もち。お前らも負けんじゃねえぞ!?」

「いけそうだな。俺達は上に急ぐぞ」


最後に言葉をかける雫の手を再び繋ぐ。そして白い階段を駆け足で上り始めた。



………


今半分くらいか。雫の息が切れかかってきたな。少し歩くか。


「なあ、高嶺って何で橘を悪く言ってたんだ?」

「ハァ…ハッ…。美鈴さんから聞いたんですけど、高嶺さんは九条君の事が好きだったみたいなんです」
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