デスゲーム
複雑な関係というやつか。聞かなきゃ良かったかもしれない。


「高嶺さんは九条君と美鈴さんが付き合っているのを知ってから、人が変わったそうです。

それから美鈴さんへの嫌がらせが始まったんです。好きな人を奪われたと思い、友達って事も忘れて」


なるほどな。高嶺は友達に好きな人を彼氏にされ、心に穴が開いた。その穴は努力しても塞がる事はなく、それは態度となって表に出た、か。


「でもきっと九条君が何とかしてくれます。高嶺さんが美鈴さんを嫌う理由を知ってるし、何よりあの背中が凛々しかったから」


実質俺もそう思える。守りたい人がいるなら人は強くなれる。あの時の九条は怒ってはいたが、自分をコントロールしてた。

何も言わずともあいつは勝ってみせる。待っている人のために、俺達のために。

そして……高嶺のために。
< 484 / 638 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop