デスゲーム
「俺も必ず雫を守る。何回でも言ってやる、絶対に死なせない」

「…うん!なら私も隼人君を守る。もう誰にも悲しい思いはさせたくないし」


俺達のいる白い階段以外は暗いのに、雫は笑顔を失わない。

雫はやっぱり強い。この先悲しい未来が待ってるかもしれない。けど君は十分乗り越えられる力を持ってる。

どうか自分と希望を見失わないで……な。


「隼人君?今何考えてました?」

「別に。フフッ、行こうか」


そっと、さり気なく手を繋ぐ。俺も安心させるような表情にならないと。一歩一歩、ゆっくりと階段を上がると時間が止まればいいと思えてくる。



「…むぅ……隼人君もっと笑って笑って。ほらほら、ニーって」

「こんな時にそこまで笑顔になれねえよ。軽くなら笑えるけど」


自分で頬を引っ張って笑顔を見せてくる雫に微笑する。無理に頑張ってないかな?俺の見間違いならいいんだけど。
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