デスゲーム
「私の気持ちも…」

「まだ。『デスゲーム』が終わるまでとっとけ。な?」


人差し指を雫の唇にそっと当てる。フフッと笑った後背伸びして、また手を繋ぐ。

今は聞かない。俺がいなくなった時、きっと未練が残るだろうから。雫の人生に俺が足枷になるのは嫌だ。


「さっ行こうぜ。…ハハハッ、何照れてんだよ?」

「てっ、照れさせたの隼人君でしょ!?も~…。いいや、元気な笑顔が見れたから」


再び階段を上がり始める。踏み外さないよう、雫を気遣って。

温かくて柔らかい手。それに笑顔をくれて、俺の事を一番理解してくれてる君は、俺にとってかけがえのない存在だよ。
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