デスゲーム
―強さ―
「着いたか。雫、もうひと頑張りだ」
雫の手を引いてフロアへ足を踏み入れる。ここは最下層からだと第4層になるな。
そこには以前のフロアと同じく対戦相手が一人黄昏ていた。
「ん、ありがとう隼人く…っ!?……ぁあ……ぃや……」
何だ?対戦相手の後ろ姿を見た瞬間雫の様子が変わった。手を口に当てて目は動揺を隠しきれていない。身体までガタガタと揺れ、酷く怯え始めた。
「いや……いやぁ…」
「雫?どうした大丈夫か」
「ん?やっとお出ましか。ん、お前何で生きてんの?」
「か……神崎…優…」
雫の口から絞り出た言葉――神崎 優、あいつの名前か。
何かとてつもない繋がりがある。しかもこいつ…ヤバい。気を抜いたらペースが狂う。雰囲気だけでそう感じ取れる。
「ふ~ん、そう。そいつを犠牲にして自分はのうのうと生きてるわけか。誰も犠牲にしないって言ってたのはどこの誰だっけ?」
「違っ…この人はそんなんじゃ…」
「そこまでして生きたいか!ああ!?もう一度負かしてやるから覚悟しろよ!?」