デスゲーム
雫は元から強いって思ってた。でも違った。うまく言えないけど、その強さは俺があげてたのか。

そして俺は雫のおかげで強くなれた。人を好きになって、お互いが強くなった。


「はっ、そんなくだらない事で強くなるはずがない。俺の番だったな。……ほらよ、セーフだ」


あいつ適当に選んでるのか、それとも考えているのか。どちらにしろ、神崎は絶対的な自信を持っている。

あれにペースを持ってかれるなよ。勝てるものも勝てなくなるからな。


「くだらないかどうかは勝敗で判断してください。私は……この水にします」


雫が指差したコップが再度転送されてきた。心配そうな表情だが、どこか自信に満ちている。大丈夫そうだな。


「確率は5分の1、つまり20%。一見高そうに見えますけど、実際は違います。私運はいい方なので」


「だな。……セーフっと。普通の水だ」


考えてる事は考えてたんだな。だが問題はこれからだ。あの残り4つの水の内、一つが毒入り。

俺からアドバイスはできない。自分を信じ通してくれ。
< 498 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop