デスゲーム
手にしたコップから雫の温さが伝わってきた。理屈はないが……これはクリアだ。


「……セーフ…かな。今までと同じ水だ」


これであと2つ。先に選ぶのは神崎だ。このゲームもらったな。


「ギャハ☆もうイイな。結界を外すか」



ピキパキ………パリンッ!!



レインが指を鳴らした瞬間透明の壁が砕け散った。よし、今なら雫にアドバイスができる。


「雫っ……」

「来ないで!!」


走り出した足が止まった。俺に背を向けたままだけど壁がなくなったのは音で知ってるはず。なぜ?


「ごめんなさい。最後まで私にやらせてください。皆一人で闘ってるのに、私だけ手を借りたくない。

それにこれは私のゲームです。手出しは無用……勝ってみせます!」

「でも大丈…」

「大丈夫です!私がここまで勝ち進んでこれたのは全部隼人君のおかげです。

だから…せめて今だけでも力にならせてください。私の成長を見ててください」


そんな事考えてたのか。でもそれは違う。全部が全部俺の力じゃない。
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