デスゲーム
「…分かった。このゲーム、雫に任せる。でも勝ち進んでこれたのは俺一人の力じゃない。

いつも側にいてくれて…支えてくれて…笑ってくれて勇気をくれる人がいたから。……雫がいたから!!」


思い返せば『デスゲーム』中だっていうのに楽しい事しか思い出せない。雫がずっといてくれたから。

俺が諦めそうな時でも、君が笑うとまた立ち上がれた。


「ぅん…うん!ありがとう。……勝ちます。あなたを死なせたりはしない!!」


雫は俺に振り返らないまま神崎との勝負を続行するつもりだ。

毒入りを引くんじゃねえぞ。残り二つのコップだ。これで勝敗が決まる。


「だから勝つのは俺だっての。……この水に賭ける。毒なら負けだが、水なら俺の勝ちだ」


今までの水に毒はなかった。それが意味するのは……二つの内どちらかが毒入り。

これで神崎が倒れなければ俺達の負け。強運を…手繰り寄せろ!

神崎の唇が…コップに触れた。
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