デスゲーム
「うん、違和感はない。俺の勝ちで終了だ」


水が…飲み干されてゆく。俺達の希望を奪うかのように次々となくなる。

こいつ…セーフなのか?じゃあ俺達の…負け!?嘘だ、こんなのありえない。


「……ふぅ。空っぽになっちまったよ。残念だったな、俺はこの手のゲームで負けた事がないんだよ!!」

「そんな…」


雫は俯き歯を食いしばった。横顔しか見えないが、絶望し、後悔してるかのようだ。

残り一つのコップ…あれが毒入りか。最後の最後まで残ってしまった。『敗北』してしまった。


「柊、またお前の負けだ!早くその毒入りを飲めよ。飲んで死んでしまえよ!!

ハハハハハ!」







「「………飲むよ」」


雫と声が一致した。俺も雫も顔を上げて神崎を強く見る。希望は…まだ失っていない。

神崎は驚いたせいで笑いを止めた。だろうな、毒入りっていう水を飲もうとしているのだから。


「雫、言ってやれよ。理論は同じはずだから。勝敗はまだついてない」

「はい。高笑いするのも今のうちです。私の演技はうまかったですか?」
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