デスゲーム
そう言い、残り一つのコップを俺に渡してきた。自信に満ちた表情、知力が覚醒したみたいだ。

俺がコップを受け取ると笑顔をくれた。今の雫はかなり強いぞ?


「まず一つ目、これは先攻が有利です。今のようにコップを余らせれるから。それだけで勝利を確信できる。毒入りと言われて飲む人なんかいませんよ」

「けどそれは毒入りだ。今までの水に毒は入ってなかったからな」


確かにその通りだ。けど、それは盲点がある。まあ俺が言わずとも証明してくれるか。


「誰かがこの水は毒入りって言いました?…違いますよね、それは思い込みによって生まれた幻覚ですよね」


「…これが毒入りではないっていう確証は?」


フフッと笑い、手を後ろで組み歩く雫。テーブルの端から端へと、一定のテンポで歩いてゆく。


「残り物には福がある…てご存じです?最初8つあったコップの場合、毒入りは8分の1。

でも最後に残ったこのコップも、同じ8分の1ですよね」
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