デスゲーム

「うぐっ……なんだ…これ」


余計な感覚が襲わないように一気に飲み干したはいいが、思わず床に崩れ落ちる。

激しい苦みのする水。明らかに今までとは違う。片手を喉に当てているが苦みは消えない。


「隼人君っ」


そんな姿を見て雫が涙目で寄り添ってきた。くそっ、力が抜ける。床に倒れ込んだ瞬間、全身の機能が停止し始めた。


「いや……いやぁ…隼人君…」

「ハハ…毒だ。やっぱ毒だった!!俺の勝利だ。くっだらねえ勝負だった」

「ぅるさい。…うるさい!!あなたなんか…あなたなんか隼人君の足元にも及ばないくせにッ!!

ぅう……うあァーー!!」


雫…大泣きしてる。俺の上半身を持ち上げて。目閉じてるからどんな顔してるか分からないな。


「無様だな。とことん酷い奴だ!こいつ強制的に毒飲ませやがったぞ!!」

「ぅう…ねえ…隼人君?嘘でしょ?死んじゃいやだよぉ」


涙が落ちてきて頬を伝う。顔はすぐ近くだと分かった。俺の頭を自分の胸に抱き寄せる雫に言葉が言えなかった。
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