デスゲーム
「ここで…行き止まりみたいだな」

「もう大丈夫です。ありがとうございました」


最上階のフロアに着いて雫を降ろす。その瞳にもう涙はなかった。

行き止まりと言っても奥には白い扉がある。それ以外は何もなく、今までのフロアと同じか。

雫の手を引いて扉の前まで来ると、扉は緑の線や鉱石やらで装飾されて綺麗に光ってる。


「こいつが開かないと話しに……開かねえ」

「え!?嘘……何で開かないの?」


扉をドンドン叩いても、取っ手を引いても押しても開かない。鍵穴はないため、こっちからは絶対に開けられない。


「くそっ、モタモタしてる場合じゃねえのに!開いてくれよ!!」

「隼人君このままじゃ……どうしよう」

「……ギャ―ー……ハァ――☆……」


雫の心配した矢先、レインの声が聞こえてきた。もうすぐそこまで迫ってるのか。

俺も雫も声の方向――階段下に視線を投げる。緊張が高まり、心臓がやけに大きく高鳴る。

まずい。レインが来たら雫が……殺されちまう!
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