デスゲーム

映画の時に泣いてたのは、雫も連想してたからか。神崎の死、優菜さんの事、雫を不安にさせる要素はいくらでもある。

それらが今同時にのしかかってる。不安で不安で……涙となってボロボロと溢れている。


「…ごめん…ごめんな、いつも心配させて。俺が弱いからだよな。……顔上げて。最後に笑顔がみたい」


雫はゆっくりと顔を上げ、俺の瞳と向き合った。目が赤くなってきてる。大粒の涙を拭ってあげるとフワリと髪が当たった。


「涙で……うまく見えない。うぅ…弱く……なぃよ…。ぅ…ぅ……弱いのは…私なのに」

「泣かないで。俺は笑顔を望んでる。それに雫は強い。お願い、最後の頼みになるかもしれないから…」

「いや……笑わない。……してほしかったらぁ……もう一度私の元に帰っ…」




雫の目を覆い、グッと顔を近づける。そして







唇を……重ねた。






覆っていた手を外しそのまま抱きしめる。安心できる不思議な力。涙で少し濡れた唇。

雫とした、一番の悲しい口づけ。もう…二度とできないかもしれない。