デスゲーム
それは…もう光で消えかかってる雫にできる、最後の贈り物だった。

そっと離すとまた胸に抱き付いてきた。少し落ち着いたかな。


「やだ……やだよぅ……。隼人君…お別れなんて嫌。もっと…もっと思い出作ろうよぅ…」

「死ぬ覚悟でいかねえとダメなんだ。だから……俺がいなくなっても笑ってて。別れがあれば…出会いもあるから、な」


そっと頭を撫でる。笑顔は見れなかったか。でも雫は強いから、いつかきっと笑える日がくるよ。

時間が迫ってきた。もうお別れか。光が天へと昇ってゆく。


「…ぇへ……え゛へへ。…笑っだよぉ?何でもずるよぉ?…だから……死なないで。…ずっと一緒にいようよぉ」

「ありがとう。…ありがとうな……本当に…ありがとう」


頑張って…無理して笑顔を作ってくれた。別れたくない。それは俺も雫も一緒だ。けれど、運命はそれを許してはくれない。

耐えろよ!ここで俺が弱みを見せたら……雫は前をむけないだろ。

想いが込み上げてきてしまう。泣きそうなのを我慢して、雫と抱き合った。
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