デスゲーム
不思議だな。言葉がスラスラと出てくる。


「まぁ…いいけど。お前…栞の勝手だし」


やった!距離、縮まったかな。優菜は黒崎って呼んでた。私に下の名前で呼ばせてくれるって…いいな。


「そういやさっき好きとかどうとか言ってたよな。栞は…好きな人いるのか?」




それを聞いた瞬間、笑顔が止まった。今までの事がフラッシュバックする。

言ってはいけない。でも!でも拓海は…許してくれる?受け入れてくれる?そう信じたい。


「ぃる。…いるよ。ずっとずっと前から」

「へーえ。頑張れよ、応援してるから」


今目の前にいる人だよ。あなただよ。ずっと私の心にいる特別な人は。


「教えてあげても……いいよ。でも…絶対嫌いにならないで」


口が勝手に動いてゆく。心臓が大きな音を立てる。思いとは裏腹に想いは進行を止めない。

もしも…もしかしたら…。後押しする感情は制御できない程に強い。


「嫌いになんかならねえよ。言ってくれてもいいなら聞いてやる」




「私の…好きな…人は…ぁ…た。……なた。








あなた」
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