デスゲーム
「そうか…あれは栞…だったんだな。……俺さ、去年好きな人…二人いたんだ」


二人。どうして今そんな事を話すのだろう。


「一人は優菜。そしてもう一人は…」


そこまで言うと私の方へ振り返った。哀しそうな…助けを求めるような顔で。








「栞…お前だったんだよ」








うそ…嘘だ。いつも会話が少なくて…私に優しくなかったのに。

どうして?心に…大きな衝撃が走る。



「私を…好き…だった…の?」


「ああ。だがもう俺は優菜を選んだ。…悪い、栞の気持ちには答えられない。

でも友達でいてくれ。大切な日々を失いたくない。俺は今が…今のみんなが好きなんだ」


涙が出てきた。私だって今が大好き。私の一言で壊れてしまうのなら…それは心の奥深くにしまおう。

それ以前に悲しいのは…私が…私が優菜より前に告白していたら…私が側に…いた…の?


「…今でも……今でもまだ…好きでいてくれてる?」

「友達として…な。今はもう優菜しかいない。すまん、分かってくれ」
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