デスゲーム
そんな…私にもっと勇気があれば…。

再びこの場を去ろうとする拓海君の背中を見つめる。

いや…いやだよ…いかないで。いかないで!




私は気づくと進み始めていた。そして…



後ろから拓海君に抱きついた。





「少しだけ…少しでいいから…おねがい」

「………」


涙は止まる事を知らないかのように流れ続ける。

それを分かってるのかは不明だけど、拓海君は背中を貸してくれた。

これで最後にするから。甘えるのはおしまいにするから。



………



しばらく背中を借りた後、二人でみんなと合流した。優菜の笑顔が寂しい気持ちにさせてくる。

私の声は…誰にも届かない。分かってるから、私は自分を閉じ込める。

これからもずっと。
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