デスゲーム

―イノリ―

「ッ!?また戻った。…オーナー、あんたは一体…」


館へ意識が戻るとオーナーと向かい合ってた。

どうしてだろう?レインとの出会いを攻められない自分がいる。

小春の気持ちが痛いほど心に残ってる。さっきよりも強く、悲しくなる程に。


「フフッ、次で最後。清水君、あなたはどう答えを出すの?」

「…あんたは悪く…なかった。でも優菜さんも黒崎も悪くない」


今はどうしていいか分からない。誰のせい?…いや、誰のせいでもない。

みんなが周りに優しいだけ。優しすぎるだけだったんだ。


「迷ってるのね。全てを見た後、私を止められるかしら?」


オーナーの瞳がスッと見据えてくる。と同時に頭がクラクラしてきた。

また見るのか。本当にこれで最後にしてくれ。心がズタズタになりそうだ。



………



「放課後だね、レイン。みんなまた待っててくれてるかな?」

『サアな。ケケッ♪』


6時間目の体育で怪我して、そのまま保健室で過ごした。変に転んですりむいて、おまけに足首をひねってしまったから結構痛む。
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