デスゲーム
『いや、違わナイ。特別な人同士でないから貴様は言えないんダ。優菜は許してくれネエし、信用してもネエから。貴様など何とも思ってナイ』

「違う。きっと優菜も私と同じ気持ちだもん。それ以上言わないで」

『なら優菜に本心を言っちマエよ。貴様と同じ気持ちなら受け止めルはずダァ!ごまかすな。言って証明しテみせろォ!!』


涙が溜まり始める。私の事…どう思ってるの?いつも側にいてくれたよね。

もし私が優菜なら受け止めてあげるよ?気持ちを理解して抱きしめてあげるよ?

私と同じ気持ちなら…きっと優菜も…。言えるのなら無理に溜め込む必要なんてないよね。


「私は…」

「あっ、待ってー。ハァ…やっと追いついた。早いよ栞」


夢中で、正門まで早足で来てしまっていた。後から来た優菜は少し息が上がってる。


「いきなり早くなるからビックリしちゃった。…なーにしかめっ面してんの?このこの」

「ふ…ふぉっとゆふなぁ~」


私のほっぺをつまんで上下左右へといじくりだす。最後に引っ張って離すと笑顔をくれた。
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