デスゲーム
「ほ、本当でしょうね」

「マジだって。そんなにして欲しいならいくらでもしてやるって」

「し、して欲しくないから言ってるわけ!もう」

「そんなに顔赤くしてると眠れなくなるぞ」

「あ、赤くしてなんかないって。う~…じゃ、明日待ってるから」

「おう。それじゃおやすみ」

「うん、おやすみ」


ゆっくりと電源ボタンを押す。いじくりがいのある奴だな。かわいいと言うか何と言うか。

パタンと携帯を畳み、再度ソファーに放り投げる。

ま、予定通りだな。でもこれからが肝心だ。


「何か今日色々あったな。疲れたわ、一気に来られると」


その後も頭で色々と考えた。福家と桜井の共通点、あの事件の唯一の繋がりである桜井。

だが結局何も出てこなかった。共通点なんてあの二人にあるはずがない。性格なんて正反対だ。

一方は服装がだらしなくて、いつも遊び惚けている。

もう一方は身なりに隙がなく、日々精進するよう遊びは程々に。

考えれば考える程こんがらがってくる。これじゃあ埒があかねえ。今日は考えるのやめだ。
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